消滅時効の援用手続き

債務者にとっては債権が時効期間を迎えても、消滅時効の「援用」を図らなければ、債務を消滅させることにはなりません。援用とは時効の利益を受ける意思を示す行為で、相手方にはっきり伝える必要があります。具体的な方法としては、消滅時効を援用する通知を、内容証明郵便で郵送するのが一般的です。内容証明郵便には「何時、如何なる内容の郵便が郵送されたか」を郵便局が証明するサービスになっています。配達証明が付いた普通郵便の場合は、文書の内容が証明されていないので、証拠としての効力を発揮しません。一方、配達証明付きの内容証明郵便の場合は、文書が到達したことを、到達文書の内容が時効援用の通知であることが証拠として法的効力を持ちます。

連帯保証人が消滅時効の援用ができる場合

消滅時効の援用ができるのは、時効によって利益を受けられる者に限られます。即ち、借金の消滅時効を援用するのは、一般的には借金の借主となります。但し、ケースによっては借主の他にも、帯保証人が主債務の消滅時効援用が可能な場合があります。例えば、連帯保証人に対してだけ訴訟提起された場合、保証債務の時効期間のみが10年に延長されますが、主債務は5年のままになります。こうしたケースでは、連帯保証人は自らの保証債務の時効期限が来ていなくても、主債務の消滅時効の援用手続きに入れます。そして、連帯保証人が主債務の消滅時効を援用することで、保証債務も消滅することになります。一方、消滅時効期間が経過しても、消滅時効の手続きに入れない場合があります。例えば、期限経過後に債権者から請求があり、わずか千円でも払ってしまうと、時効援用権を失うことになります。

時効援用とは、法的な時効制度を適用することを明確に意思表示することです。借金の場合には、債権が消滅する期間を過ぎて時効になったとしても、これを行わない限り返済を求められることがあります。